『キリスト教美術をみとく:イエス・キリスト,聖母マリア,諸聖人
〈西南学院大学博物館研究叢書〉』
■山尾彩香編
■西南学院大学博物館発行
■本体600円+税/A5判変型/48ページ /小口折並製本/オールカラー図録
■ISBN978-4-910038-62-9 C0016
■2022.9刊
■西南学院大学博物館研究叢書→こちら
ヨーロッパにおける美術の主流であるキリスト教。その文化や芸術は1500年以上にわたり布教とともに各地で受容され,多種多様に発展してきた。キリスト教美術はポイントをつかめば「なに」が描かれているのかが分かる美術。本書ではイエスやマリアの生涯に沿って場面ごとに資料を見解き,その芸術を味得するポイントを分かりやすく伝える。
【2022年度西南学院大学博物館企画展U図録】
*「みとく」……見解く:見て理解すること。
味得:内容をよく味わって自分のものにすること。
ご挨拶
西南学院大学博物館では「楽しみながら学ぶ」をコンセプトに,開館以来さまざまな教育普及活動を行ってきました。博物館や展示への関心をもってもらい,キリスト教文化に触れて学んでほしいという想いを胸に,展覧会のガイドツアーや講演会,キリスト教や展示資料に関連するワークショップやリクレーションなどを開催してきました。そのなかで,ふだん博物館になじみのない方々にも,博物館に足を運ぶきっかけになるような展示ができないかと考えてきました。
本展覧会では「やさしいキリスト教展」と新たなシリーズ名を冠し,こどもから大人まで,幅広い世代の方々に楽しんで学んでいただけるような展示づくりを目指しました。今回は当館コレクションの中でも「キリスト教美術」に焦点をあて,人物をテーマとしています。キリスト教とはなにか,イエス=キリストや聖母マリアとはどういった人物なのか,そして資料には何が描かれているのかなど,やさしく解説しつつも,しっかりとした学びも得られるような展示となっています。
本展覧会を通じて,当館だけでなくほかの博物館などでもキリスト教美術を鑑賞するきっかけとなれば嬉しいかぎりです。これまでの展覧会とは少々趣の異なる企画展とはなりますが,皆様のキリスト教の文化や歴史への理解の一助となれば幸いです。
西南学院大学博物館館長 伊藤慎二
もくじ
ごあいさつ[西南学院大学博物館館長 伊藤慎二]
開催概要/凡例/書名略
第T章 イエス・キリスト
はじめに/イエス・キリスト/イエス・キリストの生涯
降誕/東方三博士の礼拝(マギの礼拝)/洗礼・誘惑
カナの婚宴・ラザロの蘇生/最後の晩餐
ゲツセマネの祈り(オリーブ山での祈り)/受難
磔刑/復活/昇天・聖霊降臨
第U章 聖母マリア
聖母マリアの生涯/マリアの誕生/結婚
受胎告知/エリサベト訪問/神殿奉献
悲しみの聖母/聖母の被昇天
聖母の戴冠/無原罪の御宿り/聖母子
第V章 諸聖人
福音書記者 ―マタイ,マルコ,ルカ,ヨハネ―
使徒 ―ペトロ,アンデレ―
聖人 ―ゲオルギウス,フランシスコ・ザビエル―
さいごに
主要参考文献/資料目録
●登場するシンボル・アトリビュート・人物
鳩/悪魔,サタン/マルタとマリア/イスカリオテのユダ/INRI/ヨセフ/百合/洗礼者ヨハネ/心臓,心/マグダラのマリア/棕櫚/IHS
●みとくポイント!
三位一体/光輪(ニンブス)/アトリビュートとシンボル/外典(アポクリファ)/異時同図法/タイポロジー/キリスト教美術の源泉『黄金伝説』